介護施設

ニチイホーム碑文谷

【インタビュー】東京都目黒区にある介護付き有料老人ホーム。機能訓練指導員、また作業療法士としてレクを担当されている中里様にお話しを伺いました。

[ 施設名称 ] ニチイホーム 碑文谷
[ 施設分類 ] 介護付き有料老人ホーム
[ 利用目的 ] 個別レク/趣味活動 /リハビリテーション
[ 使用商品 ] さくらあーと、きめこみパッチワーク、押絵など

機能訓練担当 作業療法士 中里 様

作業課題を通した関りの場やレクリエーションの時間を大切に

――中里様の普段の業務内容など教えていただけますか?

私は機能訓練指導員として、配置されています。お客様個人の身体状況や生活状況などの情報を把握し、生活上の課題を捉えていきます。またお客様の生活歴や趣味など、人柄や社会的背景をご本人様・ご家族と話す中で人物像を捉えていきます。その結果を踏まえて、他職種と話し合い生活を送る上でのプランを決定し「個別機能訓練計画書」を3か月に1回作成します。
そして身体機能面での関りでは生活機能の維持・向上のために、筋力・体の柔軟性・バランス機能の維持・改善などを目的に個別機能訓練や集団機能訓練を実施しています。また精神機能面での関りでは、作業療法士でもあるため、作業課題を通した関りの場やレクリエーションの時間も大事にしています。
実際にどのようにしているかというと・・・「日常生活自体が機能訓練」とし、運動機能面からどのように日常生活動作を行うかを考えます。そして24時間関わってくださる介護職員さんと、日常生活動作の方法・一日の送り方を一緒に検討します。そして居室内で危険がないかということを検討し手すりの設置や、家具の配置・ベッドの高さなどの環境調整を行います。これが身体機能面での関りです。
また月1回の小集団の手芸サークルと1対1でさくらほりきりのキットを使った手芸教室を行っています。
どうしても人が多数いるリビングでは自分を出せず、じっとしているだけで埋もれてしまったりする方もいます。
大人数が苦手という方もいます。そのような方々を対象にこの機能訓練室という小さい場所がコミュニケーションをとりやすいこともあり、「自分から何かをする」という居場所作りとして行っています。
他にも保育園児との異年代交流なども積極的に行っています。一緒に行事の活動をする中での交流や、絵本の読み聞かせをお客様が行い、社会的役割を持ってもらうという取り組みをしています
今年の12月にはさくらほりきりのキットを使って園児とお客様と小グループでの企画も検討しています。
そして今年で4年目を迎える秋の文化展の企画もしています。ここでは手芸サークルや日々の活動で作成した作品を展示していきます。ここに向けて取り組むという事も、お客様にとっての目標になります。
これらの日常の活動の援助が精神面での関りです。
もう一つは、ホームで過ごされているお客様の家族との関りも大事にしています。ご面会に来た際には、日常の様子をお伝えしています。ここに入居する前の暮らしや好きだったことなど何気ない話から関わり方のヒントを得たりすることもあります。ご家族と共にお客様に関わっていき、ホームでの様子をお伝えするとご家族様も安心されるように感じるため、大事な時間と思っています。以上が私の仕事です。

――弊社キットをご採用いただく前に抱えていた、お悩みなど教えていただけないでしょうか?

ものづくりはここに配属されてからずっと取り組みたかったのですが、まず、題材の選定、材料の準備を考えることと、それを準備する時間が必要となります。結局、日常は先程話したような業務を行っているので家に帰宅してからか、休日に材料を買いにいくとか、時間を捻出するのが難しいというのが悩みです。そうなるとフットワークが重くなり、しんどくなってきたりします。
やはり事前の準備に時間がかかります。シンプルで安全にできる作業を選ぶこと、刃物は気を使いますし、作業に集中できる時間が30分くらいとみています。枠組みを決め作業手順を操作する意味で、ここはお客様、ここはこちらが先に準備するなど考えなければいけない。やはり「時間」ですね。あとはアイデアの問題もありますし。

――さくらほりきりのキットを知ったきっかけは何ですか?

単純です。インターネットで「高齢者 手芸 キット」で検索し、「さくらほりきり」がでてきたんです!最初は「キット」で調べましたが、やはり子供向けだったり、手作りが好きな方むけで難しかったり、細かかったりでした。「高齢者 手芸」を入れた時にヒットしたのがさくらほりきりさんだったんです。そして、実店舗があるのも魅力で、実店舗にも行ったんです!まずは自分で作ってみようということで、きめこみパッチワークに惚れましてインコちゃんを作りホームの文化展にも出したんです。

・弊社の商品(キット)を初めて知ったときの第一印象はどうでしたか?

まず、出来栄えがいい!幼く見えない!ちりめんとか和紙とか、自分で、材料を集めて見つけてきたものよりも物がいいですし、あとは手順書(説明書)が大きく、見やすくわかりやすいので、取り組みやすかったです。細かいのは嫌になってしまうから、私はすごくいいと思いました。きめこみパッチワークにしても台紙にシールを貼ってそれをカットして、ということで手作業の数はありますが、「工程がシンプル」ですごく取り組みやすかったです。あとは、説明書にもアドバイスがあって助かっています。

・弊社以外にも、同業他社さんの商品(キット)などとも調査や比較はされましたか?
他社さんのカタログを取り寄せてみましたが、なんかしっくりこなくて。ビーズなどは細かすぎて難しいなという感じで。ホームの雰囲気に合わない様な、見栄えのしないものを飾ることはできないということもあります。

――そのなかで、弊社の商品(キット)を選んでいただいた決め手などがあれば教えてください。

見栄えと、作業工程の数、作業自体の難易度、そして副資材の準備がそこまで沢山いらないことです。作業道具では、きめこみパッチワークの目打ちもさくらあーとのシールをはがす時にも使うこともできますし、他のことでも使えます。 この作品にはこれが絶対必要というものもありますが、他でも使用できるので準備が楽でそんなに負担にならないです。

気持ちの変化

――弊社の商品(キット)を導入して、お悩みや課題が解決された点を教えていただけますか?

準備の時間が短縮されたことや、カタログをお客様と見ながら選べるため、お客様のやる気でしたり、気持ちを引っ張ることができた点です。「これをしよう」ではなくて、「どれを作りたい?」にすることで自発性を促すことができたのが大きいです。
さくら:気持ちを前向きにできたということなんでしょうか?
中里:そうなんです。さくらあーとの富士山を作られた片麻痺の方が、次はサイズの大きいクレマチスに挑戦するということが最近ありました。私のなかでも思っていた以上の反応がでたので驚いてます。やっぱり作業を通しての展開っていいなと思います。

――弊社の商品(キット)を導入して気に入っているポイントや、導入したあとに初めて気付いた、よかったポイントなどはありますか?

重複しますが、最初は小集団で行おうと思いましたが、一人で取り組むことが難しい方が多く断念しました。集中力が30分~1時間だから、次回来た時に「なんだっけ?」という方も中にはいる。どうしようかと考えていたのですが、「挑戦したい」や「物作りが好き」というお客様に対しての個別の関わりに切り替えてみることにしました。
個別対応で実施することに切り替えたため、お客様とカタログを見ながら選んだりすることができるようになりました。そのため題材を考え準備するという準備時間が大幅に短縮できました。また集団で取り組む場合配置できる職員とお客様の人数を考えた中で「このお客様にはこれは難しくてできない」と自分の中で線引きをしていたんです。しかし1対1で取り組むことで「どこの工程までは手伝うけれど、ここからは自分で取り組んでもらおう」など段階づけをすることで逆に対象者が拡がったということに気づけた点です。

「誰が作ったの?」

――弊社の商品(キット)について、他のスタッフ様やご利用者様からの声や感想などはありましたか?

やはり出来上がりが華やかなので綺麗とかすごいとかという声があります。「誰が作ったの?」「あそこの何号室の誰さんだよ」と伝えると「へー、すごい」というような話題も生まれますし、ご家族の方に向けて面会の時に気づいてもらえるように展示するとすごく喜ばれるんです。うん、やっぱり華やかになりますよね(笑)

――その他、印象に残った点などはなにかありますか?

やっぱり素材の質の良さですかね、ちりめんとか和紙とか。あと、使いやすいです。本当に!
シールをはるだけとか、自分で接着しなくて済むのは見えない楽さをいただいております。
そういう手間がないことがありがたいです。手や衣類を汚す心配もないですし。

――最後に御社の今後の展望や、さらに伸ばしていきたい分野、このインタビューをお読みになる方に伝えたいこと、アピールしたいことなどがあればぜひ教えてください

手芸サークルの枠を大きくして、ホーム全体の月間のレクが毎日14:30~15:00であるのですが、そこの枠に定例で実施できたらいいなと思っています。今は書道やフラワーアレンジメントの活動などはあるのですが、そこに入れることができればと思っています。
また、保育園児との異年代交流のツールとして活用していきたいということ、そしてやはりお客様がホームで主体的に活動することが少ないため、そこを伸ばしていきたいと思ってます。対象者を絞るのではなく、関わり方で誰でも取り組めるということに気づかされたので、上手く場面設定と展開できるアイデアを考えていきたいな。小規模だからこそ身軽に動ける部分も多いので個別で抱えてる課題を一緒に解決していきながらお客様が主体的に動けるようにしていきたいと思っています。当然、ご家族の方にも安心していただけるホームにしたいため面会時に家族とお話をする時間も大切にしています。日々の様子の伝え方、見せ方なども工夫していきたいと思っています_

ニチイホーム碑文谷
〒152-0003 東京都目黒区碑文谷3-12-15
https://www.nichii-home.jp/shisetsu/area/tokyo/himonya_life.html

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