今回は「天然木のさくらあーと・旭日兜」を企画担当した阿部さんに、商品を企画するうえで苦労した点や、こだわった点など色々とおききしました。
「困難に打ち勝つ」「災厄から免れる」「商売繁盛」など縁起がよいといわれている「兜」と本物の木の素材の組み合わせ。どんな工夫が詰まっているのでしょうか?
今回「天然木のさくらあーと・旭日兜」を担当させていただきました阿部です。
今回の兜のコンセプトは、
・今まで出してきた「兜」や「富士山」とは雰囲気が違うもの
・木のシートを活かし、通年通して飾れる縁起の良い落ち着いたもの
であり、この2点をクリアできるか正直プレッシャーの中でスタートしました。
絵柄決め
菖蒲がポイントで何度も何度も書き直しバランスを調整しました。
というのもメインである兜を引き立たせるのも菖蒲、雲がかかる赤富士との遠近感を出すのにも大事になってくるのが菖蒲だったからです。
菖蒲は、葉の伸び方や生え方で、空間の演出が変わってくるので、その点が一番苦労しました。
限られたスペースの中での遠近感を大事にしているので、細かいこだわりにはなりますが、絵柄の線(主線)の色を手前は濃くし、奥に行くほど薄くするといった部分にもこだわっています。
木のシート選び
木のシートの色幅があまりない中で、どの木のシートを使っていけばいいか、出来た絵柄に実際に「貼って、はがす」を繰り返しながらバランスを見て決めていきました。
また木のシートは、木目の向きを変えるだけで質感や見え方が変わってくるのでその特性を活かし、それぞれのモチーフに「どのような向きで貼れば立体的になり、素敵に見えるか」という点も考えて調整をしていきました。
それがわかりやすいのが鍬形部分かと思います。木目の向きを画一的にするのではなくパーツ毎に変えることによって立体感が出ているのがわかりますでしょうか。
私が木のシート選びで特にこだわったのが、兜部分です。
セピアカラーの絵でも、見た人が色のついた兜をイメージできるよう、また重量感や立体感を感じてもらえるように自分の中でイメージを膨らませながら配色をしました。(もちろん全体にも言えることではありますが。)
また富士山の日に当たっている部分は明るめの木のシートを使い、陰影をしっかりと表現しています。
番号の色の秘密
今回木のシートを貼って試作をしている中で、薄めの木のシートになると、絵柄ボードにふってある番号が透けてしまうという課題にも直面しました。
透け防止のため、透けそうな木のシート部分の下絵ボードの番号はあえて薄くしています。
天然木のさくらあーとは、セピアカラーで表現した世界観をお楽しみいただけます。
大きいサイズは作り応えもあり完成した時の満足感も高いかと思います。
一人で作るのはもちろんお友達やご家族と作っても楽しんでいただけるので、木の風合いを楽しみながらぜひお作りください。