埼玉県春日部市にあるフラールガーデン春日部(2024年1月閉館)。この瀟洒な結婚式場で、月に一度開催されている「ベルヴィ春日部食堂」は特定非営利活動法人スコップ主催で、子どもからシニアまで幅広い世代が集まる食堂です。ただ食事をするだけでなく、ともに楽しい時間を過ごしながら多世代での交流が生まれるこちらで、先日はさくらほりきりのキットを使ったイベントが開催されました。その様子をお伝えします。
「ベルヴィ春日部食堂は、赤ちゃんからお年寄りまで、障害のあるなしにかかわらず、誰でも集える食堂を目指しています。また、これまで私たちが送ってきた人生の中で、私たちは何かしらの得意なこと、詳しい知識などを身につけており、100人いれば100通りあると思います。それらを発揮する場が今の社会には少ないですが、その得意なことを見たい人、詳しい知識を聞きたい人。教えてほしい人は必ずいます。ただご飯を食べる場だけではなく、皆さんの得意なことを活かせ、教えたい教えてほしいなど、皆さんを繋ぎ合わせる場を作り、いつまでも安心して楽しく暮らせる地域にしていきたいと思っています。」NPOスコップ公式サイトより
個性的なパウダーアート作り
参加者は13家族約50名。
子どもたち一人ずつが「パウダーマグネットのハロウィン」を作りました。
お母さんたちのほか、お父さんも一緒に参加したり、おばあちゃんも一緒に3世代で参加したりとさまざまです。
パウダーマグネットのハロウィンは、好きに色を変えて作ることができます。
思い思いの配色で、一人ひとり個性的なものができていって、見ていて楽しくなります。
世代や障害の有無関係なく集う場所
スコップの代表松永乃吏子さんにお話を伺いました。
「この食堂は、子ども食堂がスタートですが、私たちの『誰もが輝く社会を創る』という活動理念から、子どもだけでなく幅広い世代、また障害の有無関係なく集える場所にしたいと思って行っています。今回のパウダーアートは、子どもがおおざっぱに作っても完成形が素敵になる。かわいくて大人も満足できる。世代を超えて楽しめるという点がちょうど良いんです。
これまでもごはんを食べるだけでなく、皆で楽しめる企画を色々してきました。準備や運営の人手なども考えると、やっぱりキットになっているのがありがたいですね。毎回参加費として大人はひとり500円いただいていて(子どもは無料)活動費となっていますが、そこから材料費を出しています。
あと、比較的低年齢の子の参加が多かったのが、今回は小さな子から中学生までと幅が広がったのも良かったです。」
実はスコップは、作業療法士を中心に設立。
この日も、ある作業療法士さんの繋がりで、手作りが大好きだという女性も参加して同じテーブルの女の子と一緒にパウダーアートを楽しむ姿が見られました。
世代を超え子どもから大人まで、まさにキラキラと輝く笑顔が見られるそんな時間でした。
地域の居場所づくりに
「地域に居場所づくりができるといいかなと思っています。」と話してくれたのは、副代表の小池祐士さん。
「患者さんのことを考えると、病気になって、その後に戻れる場所があるといいんじゃないかと思って。あそこにまた行きたいから頑張ろう、という目標になったり。得意なことを地域で教えることで、自信に繋がったりもする。そういう繋がりが作れる場所にしていきたいですね」と。
さくらほりきりの手作りキットも何かを作ることだけが目的ではなく、どんな状況の方でも楽しめて、人と人とが繋がるコミュニケーションツールとして使ってもらいたい思いで企画をしています。
だからこの日もステキな場所づくりのお手伝いができてとても嬉しくなりました。
パウダーアートについてはこちら▼
https://www.sakurahorikiri.co.jp/c/products/pk/pk008